旧伊勢参宮街道の
最後の宿場町は小俣町おばたちょう。
ここから宮川の渡しを超えれば
伊勢神宮のお膝元という場所になります。
参宮街道沿いは
旅人をもてなす茶店も多かったようで
伊勢の「赤福」はじめ
今も名物として続くお店がいくつか。
その1つ
「へんばや商店」は200年以上の歴史があり
名物「へんば餅」で知られるお店です。
趣のある本店の建物は
明治からのものだそう。
店名でもある「へんば」とは
伊勢参りの人々は宮川の渡しで
乗ってきた馬を下りて歩いて参拝する
そういった場所で振舞われたことから
返す馬の餅で「へんば餅」になったといいます。
気付けば
定期的に食べているのでは?と思うくらい
伊勢に行くたびに買っています^^
売り切れ次第閉店となるため
この日は目的地よりも先に訪問し
いつもならお持ち帰りのところ
久しぶりに店内でいただきました。
そして
お持ち帰り分も無事確保^^
出来立てのお餅は
めちゃめちゃ伸びる――――♡
お持ち帰りの
ぷりっとした弾力に慣れていて
それはそれで美味しいんですが
ほんのり温かみが残って柔らかいのも
良いなぁと思いました^^
さて
宮川を渡り伊勢市へ入ると
お餅やさん(茶店)の数はますます増え
「二軒茶屋餅」とか…
お店の向かいが
地ビール工房兼レストランで
ランチにお餅が付いてきました。
「二軒茶屋」というのは町の名前で
角屋と湊屋という2軒の茶屋があり
角屋は祖先にあたるそう。
町の名前を冠した
こし餡をきな粉で包んだお餅なのです。
ほかにも
「酒素饅頭」の旭家や
「御福餅本店」などなど
計4種類のお餅を食べ比べ…
へんば餅のおいしさを再確認しました。
このように神宮へ続く道は
いつのころからか「餅街道」と呼ばれるほど
お餅やさんが多く
なかなか目的地へたどり着けないのです笑
夫婦岩で知られる二見浦には
猿田彦大神を祀る
「二見興玉神社ふたみおきたまじんじゃ」。
海岸沿い、夫婦岩がちょこんと^^;
2023年再訪し撮影しました↓
さて
参道沿いの豪華な建物は
今回の目的地である「賓日館ひんじつかん」。
1887明治20年
神宮に参拝する歴代の皇族方
各界の賓客の休憩、宿泊施設として
建設された由緒正しい建物です。
賓日館では、建物だけでなく庭園も含めて、
当時一流の建築家による品格のある洗練されたデザイン、
選び抜かれた材料やそれに応える職人たちの技など、
日本の伝統建築の粋を目の当たりにすることができます。
…とパンフレットにあるのですが、
格式ある美しさに触れることができました。
唐破風の正面玄関の前は二見浦↓
青空ならもっと良いのに。
階段の親柱に
彫刻された二見蛙↓
二見蛙は
この地へ降り立った猿田彦大神の使いという
縁起の良い存在です。
1本の木から
柱の役割を果たしつつ
装飾まで彫り上げるとは!
中庭に面するガラス窓の下の風通しは
横にも斜めにもスライドできる優れものでした。
120畳の大広間は舞台付き↓
畳から舞台の松の木を見ると
立体的に見えますよ、とスタッフさん。
反対の床の間の天井は
1枚ものの屋久杉を使用し
1億円の値が付くとか。
御殿の間は
格式を尊ぶ二重格天井に
豪華なシャンデリアも違和感なく
螺鈿の輪島塗で装飾された床の間など
添えられた解説を読んでは
優雅に過ごした高貴な人々のことを
想像してきました。
庭園は
周遊できるようになっていて
灯籠や水琴窟もあり
庭師さんの遊び心がうかがえます。
賓日館は
隣接する宿泊施設・二見館の別館として
機能した時代を経て1999平成11年廃業。
二見町に寄贈され
現在は資料館と貸し展示会場となっています。
建物の歴史的価値や建築技術の素晴らしさから
2010平成22年には
国指定重要文化財の指定を受けました。
価値がさらに高まり
建築技術の見どころなどが
ホームページで紹介されている令和の時代
もう一度見てみたいと思うところです^^
休館日
火曜日(祝日の場合は翌日休)
入館料
大人 310円 小人(小・中・高) 150円