ミナミを横切る道頓堀川は
江戸時代
安井道頓が完成させた堀です。
当時
このあたりには
浪花座、朝日座といった
芝居小屋が並び
必然的に
食べ物屋が繁盛していったのが
今の繁華街の原型です。
ド派手な看板がひしめく辺りは
まさに“食いだおれ大阪”の象徴。
賑やかな街の一角に「法善寺横丁」
細い石畳の路地には飲食店が軒を連ね
とりわけ
この横丁を有名にした織田作之助の小説
「夫婦善哉」の店や
彼の句碑が立つ
小料理屋「正弁丹吾亭」などは
大阪情緒溢れるところです。
わずかに残っている法善寺の境内に
立っているのは「水かけ不動」
絶えず柄杓で水をかけられているため
このような苔むした姿に…
水商売の人たちの信仰が厚いところです。
今では信じがたいことですが
この寺の南に位置する
「千日前」
と呼ばれる一帯は
かつて
火葬場があったところです。
法善寺は
千日念仏が行われたため
千日寺ともいわれますが
その前に栄えた街ということで
「千日前」になったのだとか。
というわけで
繁華街のイメージの強い
ミナミですが
そこにたどり着くまでには
やはり
歴史があるんだなぁ、と
思いを馳せつつ
街をあとにしてきたのでした。