「く!草津よいとこ 薬のいで湯」←上毛かるたです。
兵庫県の有馬温泉、岐阜県の下呂温泉とともに
日本3名泉に数えられ
江戸時代に作成された温泉番付では
東の大関に挙げられた名湯です。
「にっぽんの温泉100選」でも
18年連続1位という
不動の地位を築いている人気ぶり。
源泉は
「湯畑」「西の河原公園」「白旗」
「万代」「煮川」「地蔵」と全部で6つあり
自然湧出量は日本一。
毎分32、000ℓ以上
ドラム缶なら毎分161本以上の温泉が
いたるところから溢れているという計算に。
いつでも新鮮な源泉かけ流し…
つまり加水や沸かし直し、
循環させることのない源泉主義のため
源泉の効果をそのまま実感できるのです。
そして草津を訪ねたなら
是非とも見ておきたいのが「湯畑」。
周辺は
温泉まんじゅうなどの土産物店、温泉宿が建ち並び
いつもたくさんの人々。
硫黄の匂いと
湯けむりが一帯を白く包んで
風が吹けばふわりと先が見えます。
滝となって流れ落ちるさまなどは
湯量の豊富さと自然の力を感じますね^^
湯畑は
温泉街の中心に位置する源泉で
毎分約4000ℓもの温泉が湧き出ています。
7本の長い樋は
湯畑源泉が60度と高温なため
外気に触れさせ冷ましながら
各所へ配湯するという役割。
沈殿した硫黄である湯の花を
2か月に1度採取する、収穫するのが
湯畑と呼ばれる由縁^^
強い酸性で高い殺菌力を持つ草津のお湯は
源泉に五寸釘を浸けておくと
10日ほどで跡形も無く溶けてしまうとか。
周囲には足を数分浸すだけでも
温浴効果があるという「湯けむり亭(足湯)」↓に加え
方位石ありました↓
近年「手洗乃湯」も新設されました。
湯畑の源泉は
群馬大学との共同実験により
新型コロナウイルスの感染力を不活性化させる効果がある
という研究結果が発表されています。
10秒間で97,51%
1分で99,12%失わせる効果がある、と。
アルコールよりも肌に優しく消毒でき
食べ歩いても気軽に手洗いができる利点から
訪れた人々に高評価です^^
手洗乃湯で10秒以上洗いましょう^^
ただ
感染症が治癒する、とか
完全な予防となる、ということは無いので念のため。
また
観光名所でもある湯畑は
人が集うにもってこいの広場です。
それもそのはず
人の流動を意識した造りは
あの岡本太郎氏によるもの。
ひょうたん型の「湯畑」と
湯畑を囲む「遊歩といこいの場」で
構成された現在の湯畑は
温泉とスキーが好きで草津に足げく通った氏に
1975昭和50年当時の町長が
都市計画の一環として
デザインと監修を依頼したもの。
2017平成29年6月には
「草津の湯畑」が名勝となりました。
それ以前の湯畑は長方形で
滝の下には「滝の湯」という
番台のある共同浴場があったそう。
湯畑を囲む柵は
「草津に歩みし百人の碑」でもあり
長い歴史の中で
草津を訪れた100人の名が刻まれています。
歴史上の偉人や文学者など幅広く
気になる人物を探してみるのもいいですね。
1番の日本武尊から100番・渥美清
そして2014年は
映画「テルマエ・ロマエⅡ」のロケ地にもなり
俳優・阿部寛氏の役名であるルシウスの名が刻まれました。
新たに桂歌丸氏が加わっていました↓
江戸時代には
8代将軍・吉宗や10代将軍・家治が
湯畑のお湯を樽に詰め江戸城に運ばせて入浴したらしく
今も残るのが
「将軍御汲み上げの湯枠」(手前の木枠)
秀吉も草津のお湯を家康に勧めたとあります。
湯畑の西には
「熱乃湯」がリニューアルされており
大正ロマンを感じさせる外観。
外湯のような名前ですが
名物の湯もみが
草津節や草津湯もみ唄とともに
ショーとして楽しめるところ。
湯もみというのは
そのままでは熱くて入れない温泉を
長い板で揉むようにかき混ぜ
加水せずに温度を下げるための行為。
強酸性のお湯を柔らかくするといわれ
入浴前の準備運動にもなるのです。
湯もみは
草津ならではの湯治療法「※時間湯」改め
「伝統湯」の工程の1つです。
※2021年より名称変更
※湯長による指導で
湯もみとかぶり湯、3分間の入湯を
1日4回繰り返すという時間湯が
長きにわたり
公衆浴場「地蔵湯」「千代の湯」で
行われてきました。
※草津観光公社職員が務めた湯長の
湯治客の健康状態を把握する「問診」が
医師法に違反する可能性があるとして
町は令和2年度から湯長制度を廃止。
「地蔵湯」「千代の湯」は無料となり
千代の湯では手続きの上、自己責任にて利用可。
熱の湯の南隣には
「白旗の湯(無料)」という公衆浴場があり
特に熱いということで知られています^^
さらに南側
日帰り入浴専門の「御座の湯」も改装。2013年
源頼朝が狩りに来た際
腰を掛けた、御座りになった石から
御座の湯と名付けられたという浴場で
杉板と漆喰の壁を使った趣のあるもの。
また
湯畑から西へ徒歩15分
「西の河原公園」には
いたるところから50度ほどの源泉が湧き出ていて
川となり湯けむりを上げながら流れています。
解放感溢れる「西の河原露天風呂」↓パンフです^^;
御座の湯、西の河原露天風呂と共に
日帰り専門の草津三湯めぐり・大滝乃湯で
「合わせ湯」を体験してきました。
38℃~46℃の異なる温泉を
順に巡っていく伝統的な入浴法で
高い天井と階段状の浴室が素敵です^^
湯船は4段階に分かれ手前からスタートします。
3番目あたりから熱さが苦痛になり…
4番目のお湯は
もう長々と入っていられませんでした^^;
しかし湯上り後は
いつまでも身体がぽかぽか
翌日も硫黄の匂いがほんのりと続き
温泉が肌に浸透しているのを感じました。
草津町の散策は
湯畑から全方向20分圏内で収まります。知らんけど
外湯も多く
他の温泉地には無い風情を醸していて
歩いてこそ楽しめるというもの。
湯畑ツリー&イルミネーションは
2021年11月20日から2022年2月14日まで。
日本武尊が東国征伐の帰途に発見したとも
奈良時代の僧・行基が
全国行脚の際に発見したとも伝わる草津温泉。
十返舎一九が膝栗毛に記すと
草津の名は庶民にまで広まり
明治にはドイツ人医師のベルツ博士らが
世界に紹介しています。
草津節にも
恋の病はこりゃ 治しゃせぬよチョイナチョイナ
…と歌われるように
恋の病以外、効かぬ病は無い!
といわれるお湯なのです^^
標高1200ⅿ前後に広がる草津温泉は
真夏でも25℃を超えることは滅多にないようで
豊かな自然の中でのハイキングを楽しめたり
秋の紅葉、冬のスキーなどを兼ねて
年間300万人の観光客が訪れています。
最後に
千代の湯と地蔵の湯の
2020令和2年変更後のご案内です。
時間湯は利用したことは無いけれど
伝統が薄れていくようで残念に思います。