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小京都【修善寺温泉】は伊豆最古!歴史と文学と…【日本百名湯】【修禅寺物語】

その昔

弘法大師が発見したと伝わる修善寺温泉。

 

伊豆長岡とともに中伊豆屈指の大温泉は

桂川の流れに沿って旅館やホテルが連なります。

 

温泉のはじまりとなる「独鈷とっこの湯」や

「修禅寺物語」にも取り上げられた古刹「修禅寺」

ほか源頼家の最期の地など文学や歴史の舞台として

また伊豆の小京都というほどの

落ち着いた情緒ある温泉地となっています。

 

日没少し前に到着したので

宿を出て散策してみることにしました。

 

まずは平安初期の807年に開創された「修禅寺」

現在は曹洞宗となっています。

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綺麗な花に誘われるかのように山門をくぐります。

弘法大師が開き修行をしたと伝わるお寺で

修善寺という町の名もここから。

 

鎌倉時代には北条氏が信仰したことから大いに栄えたようですが

鎌倉幕府の将軍・源頼朝の弟・範頼のりより

2代将軍・頼家がこの地に幽閉されたことで

源氏滅亡への悲劇が今に伝えられます。

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2代・頼家は母・政子と祖父・北条時政によって幽閉され

入浴中に暗殺されてしまいましたが

このことを

劇作家である岡本綺堂は境内の宝物殿にある古いお面と絡めて

「修禅寺物語」を書きあげたらしく

今回はそのお面を見てみたくて。

 

↓なんか書いてある…?

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これはまさかの?

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午後4時まで!!!

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ったくやる気ないなぁ…せめて5時やろ…

来るのが遅かったようです^^;

 

宝物館のお面とは

漆にかぶれた頼家の顔を面師・夜叉王が写したものとのことで

ホームページに画像がありましたので参考までに。


そして

岡本綺堂の「修禅寺物語」とは1911明治44

明治座で公演され2代目・市川左団次が夜叉王に扮し演じられたもので

以降、修善寺温泉も広く知られるようになりました。

 

その「修禅寺物語」

あらすじにしてしまうと味気ないのですが

さくっとかいつまんでみました。

800年ほど昔、この地に住む夜叉王という面師の腕前は

鎌倉や京にまでその名が知られるほどだった。

2人の娘がおり、妹のかえでは父親の弟子の妻、と慎ましやか

姉のかつらは玉の輿など夢見る派手な性格であった。

ある日 幽閉されていた源頼家が訪ね来て

夜叉王に自身の面を作れと命じる。不遇な身の上となった自身の面影を残したいというのだ。

ところが半年過ぎるも夜叉王にとって満足のいく作品ができず

何度作り直しても面には死相がでるばかり。

不吉極まると悩んでいると頼家が催促に来る。

いつ渡せるとも約束できない夜叉王に

立腹した頼家は夜叉王を切ろうとするその時

かつらが機転を利かせ失敗作を差し出す。

面を見た頼家は「あっぱれ」だと喜ぶが「面が死んでいるから」と断る夜叉王。

しかし頼家は死相の出ている面を持ち帰ってしまったのだ。夜叉王の美しい娘・かつらまでも。

かつらは「若狭の局」という名を賜り頼家によく尽くした。

ある日の入浴中の頼家

祖父・北条時政が差し向けた者たちの闇討ちに遭う。

かつらは頼家を助けるべく父の作った面を付け

自分こそが頼家だと

脱ぎ捨ててあった頼家の着物をまとい

敵前に躍り出て戦うもかなわず、頼家は浴室で最期を遂げた。

深手を負ったかつらは苦しみながらも夜叉王のもとにたどり着き

今起こったことを息も絶え絶え話し出す。

傍には妹のかえでが「死なないで」と涙を流す。

いよいよ最期のとき短い間の幸せを述べるかつら。

ところが自分の娘の死に際になっても

悲しみを感じていないどころか満足げな夜叉王。

不審に思ったかえでが尋ねると

「面を作り直しても死相が出たのは自分の腕が悪かったのではない。

頼家さまがこうなる運命だったと今悟った。

神でなければ分からぬ人の運命を自分の作品が知っていた。

技芸神に入るとはこのこと。われながら天下一」と笑い出し、

さらには虫の息のかつらに

「若き女の断末魔の顔、のちの手本に残しておきたい、

苦痛をこらえてしばし待て」と紙と筆で娘の顔を描き出すのだった。

 

 という

自分の作品しか愛せない

恐ろしくも残酷な職人気質すぎる夜叉王のお話なのでした。

 

またの機会に修善寺の宝物殿へ入りたいと思います。

時間にはくれぐれも気を付けて^^;

 

参拝を済ませ

再び町に出ると散策に便利なように指標があちこちに。

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ホテルからマップは持参してきたものの

これなら迷うこともなさそうです。…続く