ほぼ旅かなり旅ぜんぶ旅手帳

気になることだけを気にしてたところまで取り上げました

・気力が・生じる・根源の地!水を司る【貴船神社】【龍穴りゅうけつ】に棲む【龗おかみ】とは?

鴨川の上流

京都の水源ともいわれる「貴船きふね神社」。

 

古くから「気生根」とも書き

各地にある貴船神社の総本社。

 

神社が存在する地名は「貴船町」ですが

神社名は水だけに濁らないのですね。

※「きねじんじゃ」と読む地域もあります

 

日本有数の古社で

明確な創建年代は不明ですが

社伝では666白鳳6年には

社殿の造替が行われたとのこと。

 

朝廷からの信仰も篤く

日照りの時には黒馬を

長雨の時には白馬や赤馬を献じ

雨乞いや雨止みを祈願されてきたところ。

 

近年では「気生根」という文字から

神域内に「気」が溢れているとかで

目に見えない「気」を感じられるところ

気力を生じさせるところとして

人気なのです^^気だけに^^

 

気力が入れば運も開かれ

開運の神様、諸願成就の神様としても

崇められるようです。

 

鮮やかな朱の灯籠と緑の対比も美しい参道。

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貴船神社の参拝は三社詣といい

貴船川下流から上流に向かい

本宮、結社むすびのやしろ、奥社と続きます。

 

参拝の順路も気を付けたく

最初に本宮、次に奥社

最後に結社と巡るのが一般的。

 

まずは下流の本宮から。

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本宮の御祭神は高龗神たかおかみのかみ

 

奥社では御祭神は闇龗神くらおかみのかみともいい

名前は違っても同じ神様とのこと。

 

「おかみ」で変換できることも感心しますが

雨冠に口が3つ並び、下が龍の字で「龗」とは

水を自在に操る龍神様のことで

漢字の成り立ちは

龍神様にお供えをして雨を祈る儀式の様子から。

 

高龗神は水が高いところに湧きだすところの神様

闇龗神は水が谷底から湧きだすところの神様。

 

それぞれ

穏やかに雨を恵んでくださったり

洪水で荒ぶる怒りを伝えたり、という

二面性があるのでしょう。

 

また

水回りを取り仕切る「女将さん」も

龗が由来といいます。

 

料亭や酒造業など水に携わる方面からも

信仰されているのです。

 

境内には

こちらが絵馬の発祥ということを伝える

2頭の馬の像。

 

天気の順調への願いから

馬を奉納してきたという先述の通り

生きた馬から

やがて馬の絵を奉納するようになり

さらに簡略化され

願い事を書いて納めるようになったものが

現在お馴染みの絵馬です。

 

また

本宮の社務所では200円で

「水占みずうらみくじ」を授与していただけます。

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何も書いてないこの紙を求めて

多くの参拝者たちが列をなしています^^

 

なぜなら

貴船山の湧き水「御神水」に浸すと

文字が浮かび上がるのです!!

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なんとも水の神様らしい御託宣なのでした^^

 

この後はお約束通り

結社をいったん過ぎて…

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「思ひ川」に架かる橋を渡ります。

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「思ひ川」とは意味ありげな名前ですが

もとは「御物忌おものいみ川」と呼び

参詣の際の禊をする場だったそう。

 

おものいみがわ→思ひ川^^

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1055年の洪水までは

こちらが本殿だったという奥宮。

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ホムペによれば

本殿の真下には「龍穴」があるといいます。

 

誰も見たことが無い穴は

龍神様の住処だそう。

 

陰陽道や風水的には

大地の気が吹き上がる場所のことを

穴が無くとも龍穴と呼ぶようです、知らんけど。

 

国内の大きな龍穴には

繁栄している土地や

古社が鎮座していることが多く

天変地異とは無縁で

伊勢神宮や日光東照宮なども当てはまるとか。

 

奥宮の龍穴は

日本3大龍穴の1つとのこと。

 

貴船神社の良い気が

溢れ出てくるところだそうで

それでいつまでも人が集まっていたのですね。

 

本殿の隣には

神社創建の伝説の1つ「御船形石」。

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玉依姫命たまよりひめのみこと

「黄船」に乗って淀川を遡り

この地にたどり着いて

船を人目に触れぬよう

石で包み囲んだものと伝わります。

 

この苔むした石組の中に

神様の乗った船が隠されているとは!

 

なんだかロマンがありますね^^

 

大阪湾から黄船で貴船に上陸するまで

川の流れが急で難しい航海であったことから

航海安全の神様として

船舶関係の方々からも信仰されているようです。

 

最後は結社。

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こちらには

出土して奉納された船形の自然石。

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看板だけ撮って石を撮ってなかった^^;

 

磐長姫命いわながひめのみことがご祭神です。

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神武天皇の曾祖父にあたる瓊瓊杵尊ににぎのみこと

木花開屋耶姫このはなさくやひめのみことを娶りたいと

姫の父・大山祇命おおやまつみのみことに願い出ると

父は姉の磐長姫いわながひめも共に勧めました。

 

瓊瓊杵尊は磐長姫を望まなかったため

磐長姫は自分を恥じ入り

叶わなかった自身の願いに変えて

人々に良縁を授けるため

この地にご鎮座したという伝承があります。

 

平安時代には歌人の和泉式部が

歌を捧げ祈ったところ

冷めた夫との愛を取り戻したという話も残り

結宮は「恋の宮」ともいわれ

縁結びの神様として知られるように。

 

授与していただける「結び文」に

願いをしたため

結び処に結べば良縁に恵まれるとか。

 

深い緑と豊かな水に恵まれた貴船神社一帯は

夏は京都の市街地よりも気温が5℃ほど低く

風流な川床が楽しめたり素麺はお気軽でお薦め

秋は3000本ともいわれる紅葉や

冬の雪景色も趣あるところです。