尾山神社を抜けて
西側の鼠多門から金沢城公園を歩き
城内最大の河北門二の門から
三の丸広場へ入ったところまで
前回の記事にしました。
今回は
三の丸へ通じるもう一つの門
石川門を外から見たところから。
二重櫓と続櫓を門と渡櫓で連結。
破風の下の石落とし↓
ちょんまげのような京の巻の瓦が
かっこよさを際立たせますね^^
軒下の波打つ漆喰も
仕上げるのは難しそう。
重文の石川門は金沢の街の象徴として
金沢に行ったことがなくても
見たことがあるのではないでしょうか。
1759年の火災で
城のほとんどが消失したものの
石川門は1788年に再建されて以来
その後の火災の影響も受けず現在に至ります。
金沢城の搦手、裏口とはいうものの
兼六園とつながり利用者も多いことから
正門と勘違いしてもおかしくなさそうです。
しかし江戸時代は非常口のような感じで
ここから出て敵を背後から攻めたり
密かに脱出するために設けられたもの。
今となっては
ちょっと想像しがたいですね。
一の門と二の門の2つで1つとする桝形門で
中へ入ると狭間が設けられていたり↓
左右で異なる珍しい積み方の石垣とか↓
1765年の改修時に
このような積み方になってしまったらしく
当時の文書に「左右違い分けて積むのはおかしい」
などと記されているようです^^
三の丸広場から見た石川門↓
雪が積もったかのような色合いの屋根瓦は
鉛瓦葺きで江戸城などでも見られるもの。
木で作った瓦に鉛板を張り付け
鉛には銅を混ぜることで
耐酸性と強度を高めるそうです。
空気に触れると
灰色から白っぽく変色するので
鈍く光る独特の味わいを持つ瓦になるのですね。
鉛瓦は
- 屋根が軽量化され
- 見た目も美しく
- 余った鉛の有効活用となり
- 散財すれば幕府も安心?
といった利点があったとか、無かったとか。
- 鉛を溶かして鉄砲玉にするため
…という話もありますが
否定的な意見のほうが多いかもしれません。
なんだかんだで
鼠多門の対極まで来てしまったので
残り半周は歩くのも更に本気モード^^
三の丸から二の丸を臨む↓
↑左から橋爪門続櫓、五十間長屋、菱櫓
これらの後ろに二の丸御殿が位置し
二の丸御殿を守ります。
三の丸とを隔てる堀も復元↓
ここを過ぎると鶴の丸。
犀川から取水した辰己用水は
兼六園を潤して城内へ引き込む。
高低差も距離もあるのに
先人たちの頭脳と忍耐と器用さに
ただ驚き。
木製の導水管は幕末には石管へ↓
砺波産の金屋石は
軽くて柔らかいので加工しやすいそう。
こちらも
加工した石を繋いで井戸にする高度な技↓
石の用途は
石垣だけではありませんでした。
鶴の丸休憩所は開いてないけど
石垣の進化が学べます↓
土塀のつくりとか↓
迷ったけど本丸もちょっとだけ行っとくわ!
※本丸は東丸ともいうそうです
↑東丸の北面では
金沢城初期の石垣が残り貴重です。
自然石や粗割りしただけの石を
緩い勾配で積み上げた「自然石積み」
だそう。
本丸の一角に建つ鶴丸倉庫↓
鶴の丸が見下ろせるのが由来でしょうか。
幕末のもので
城内では石川門、三十間長屋と共に重文指定です。
さらに上ると
天守閣から見て北東にあたる丑寅櫓跡へ。
舗装されてないので
靴の中に水が^^;
卯辰山とか戸室山が見えるのか…
実際の景色↓
南東を意味する辰巳櫓まで行けば
城内一という21mもの石垣が見られたかもですが
靴もびしょびしょだし
未舗装の道なので諦めますね。
そして金沢城の天守閣は
1602年の落雷で焼失したきりとあり
利家の入城時期から考えても
わりとすぐに消えてしまったので
幻の天守とも言えるかも。
資料も乏しいらしく
復元は難しいのかもしれません。
地図で見る限り行き止まりっぽい↓
五十間長屋と橋爪門↓
雁木坂↓
橋爪門は四半敷き!
そして桝形!
三の丸から見えてた橋↓
三の丸側は粗い積み方だけど
二之丸側は切り石積みになってます。
「粗加工石積み」の多くは廓の外周などに
「切石積み」は出入口など重要な所によく見られます。
ですって。
復元された3つの建物は1つにつながっていて
9時~320円で見学可。
建物沿いに
菱櫓まで見に行きたいところですが
省略^^;
幕末まで機能した二の丸御殿は
明治の失火で全焼し
調査中のようです。
唯一残った唐門が
尾山神社の東神門になってるんですよね、写真ないけど泣。
豪華で広大な御殿だったのでしょう。
尾山御坊の名残りの極楽橋を渡って…
橋の下左側↓
右下↓
ホテルから見えてた重文・三十間長屋↓
反対側には石落としが設けられていますが
水たまりで裏まで行けず。
なまこ壁^^
玉泉院庭園が見えてきて
ちょっと安心^^
鼠多門も見えました。
いもり坂を下ります。
石垣も庭園の一部。
三十間長屋との高低差↓
幅広い時代の石垣が残る金沢城公園は
「石垣の博物館」とも称され
あちらこちらで
様々なタイプの石積みを見ることができます。
有料施設の見学時間外も公園が開放されていて
ライトアップも綺麗で
どこもよく整備されていて快適だし
なんというか
ありがとう金沢!!!
1時間40分くらい過ごしたでしょうか
部屋に戻るまで1万歩近く歩いてました^^
着替えて荷物をまとめても余裕でした^^