飛び入りで宿泊した「ホテル海上館」のロビーには
明日の日の出 5時27分
とあったので
四国の最南端・足摺岬で見る日の出は
また素晴らしいだろうと
早起きしてみました。
夜明け前で街灯もほとんど無い道を15分ほど歩くと
ぼんやりと足摺岬の灯台が現れました。
さらに
なにやら銅像が?
「ジョン万次郎(中浜万次郎)」
調べてみると
幕末期に土佐の中浜(現・土佐清水市中浜)に生まれ
14歳のころ漁に出て遭難。
米国の捕鯨船に助けられ
マサチューセッツで
英語はもちろん航海術や造船技術、数学など勉学に励み
カリフォルニアの金鉱で資金を得て
漂流から10年を経て琉球へ上陸。
時はペリー来航で
海外の情報を入手したかった江戸幕府に
仕えること約20年
翻訳や通訳、造船指揮などを任され
日米修好通商条約の締結に尽力。
米国への使節団を乗せた
勝海舟を艦長とする咸臨丸へは通訳として乗船し
福沢諭吉も同乗していたという。
体調を崩してからは
静かに余生を送ったということですが
この地に生まれて
まさに人生万事塞翁が馬を地でいった人でした。
さて
展望台への階段を上り
東の空が明るんできました。
右には足摺岬の灯台が。
このアングルよく見ますよね^^
左は
ちょっと和歌山の潮岬や海金剛を思い出します^^
地球は丸い!!
いよいよ5時27分 ご来光。
なんだか心が洗われて
新たな誓いを立てたくなります。
…すぐ汚れますがね^^;
展望台から灯台までの
ヤブツバキの自生地を抜ける遊歩道では
蜘蛛の巣にまみれながらたどり着き…
もうお風呂に入らずには
いられない状態(´Д⊂ヽ
さらに遊歩道を歩けば
「白山洞門」なる海蝕洞が見られるらしいのですが
もう蜘蛛の巣はこりごりと諦めてホテルへ戻ろうとすると
「万次郎の足湯」の下に「白山洞門」が見えました。
長い年月をかけて海水に浸食された結果です。ぽっかり。
足湯は無料ですが8時からとありました。
ところで足摺岬は
四国八十八か所霊場38番・金剛福寺があり
弘法大師が開山した修行の地の1つ。
37番・岩本寺からは90km
39番・延光寺からだと60kmと
札所から札所までの距離が
最も長い場所にあるということでも
お遍路さんの間では知られています。
足を引きずらないと来れないような
足摺岬という名も意味深ですね。
由来には諸説あるようで
その1つをあげてみると
ある日旅の僧に扮した観音様が
上人と修行僧のもとへやってきて
補陀落山(観音様が住む印度のポータラカ山)へ
導かれるよう共に修行をしていた。
食事の時には
上人は旅の僧へ分けることなどしなかったが
修行僧は
少ないながらも自身の分から旅の僧にも与えていた。
少ない食べ物を分けるなど不満に思っていた上人だが
ある日
旅の僧が修行僧に
恩返しに自分の住まいへ案内します、と
修行僧を海へ連れ出し小舟に乗せると
後ろから上人が
自分を置いていったいどこへ行くのだ、と。
旅の僧が「補陀落の世界へ」と答えるや否や
2人の姿は観音様となって
矢のような速さで大海に消えてしまった。
1人残された上人は
悲しみのあまり脱力し足を引きずりながら
この地を去ったという。
そんなことがあって
この地を「足摺岬」と呼ぶようになったのでした。
すがすがしいご来光が拝めて
蜘蛛の巣まみれで不快になり
朝風呂で爽やかな1日のスタートが切れたという報告でした。
こちらにお世話になりました。
@10000円+入湯税150円(単純弱ラドン泉)