製鉄や造船、繊維業などが集中する関西圏をはじめ
日本の経済成長を支えるべく
自然環境が厳しく人跡未踏の地である黒部川上流に
第四発電所を建設するに至った関西電力。
その一大事業は
秘境の地にダムをつくるための資機材搬入路を開くことからはじまり
関電トンネルで破砕帯を突破したことまでを前ブログに記載しました。
無事に搬入路は開けたものの
1959(昭和34)年9月26日
伊勢湾台風がセメント輸送路を切断するという事態。
臨機応変に乗り切ることができたと思いきや
黒部川にコンクリートの打設を進めている最中であった12月2日
南フランスのアーチ式ダム「マルパッセダム」が崩壊し
世界銀行から黒部ダムを設計変更するよう勧告を受けるのです。
今でこそ日本は途上国に対して支援をする側ですが
黒部ダムを建設していた頃の日本は
世界銀行から借入する側でした。
南仏もまた世銀からの融資を受けての建設で
決壊の被害も大きかったことから
同じアーチ式の黒部ダムに対し
堤高を186mから150mに下げるよう要請されたのです。
堤高を下げることは発電力を下げることになるため
なんとしても回避したいところ。
そこで急遽
アーチ式ダムの両翼の部分を重力式に変更し
世銀を納得させたのでした。
↑川の流れに逆らうようにアーチを設けて水圧を左右に分散させ
左右の岩盤にはコンクリートを多用して強化し
水圧に耐えています^^
アルファベットのⅯに見えなくもない?
1つのことを成し遂げるために力を合わせ
次から次へと降りかかる難問を解決していった先人たち
黒部ダムを知るほどに高いドラマ性を感じますね。
標高1454mのダムの堰堤に出ました。
アーチの上を歩くよ♪
半分歩いて放水を見下ろしたらめちゃ怖かった…撮影もできず笑
この先に「黒部湖駅」があるんですって。
日本で唯一の地下式ケーブルカーとなっているのは
自然保護と雪害防止のためとのこと。
感動的なお話が残る黒部ダムはこれでお別れだけど
「立山黒部アルペンルート」はまだまだこれから!
「黒部平駅」までは5分で到着。
黒部ダムのあたりを見下ろしたり…↓
次に乗る立山ロープウェイの「大観峰駅」を見上げたり♡↓
ただ
上に行くほどに空模様が変わってきて
雲の広がりが気になります…
下界はあんなに晴れてたじゃない?
「黒部平駅」には展望台があって待ち時間に最適でした。
標高1828mからの眺めがこちら↓
近い。
黒部湖がちらり↓
紅葉してますねぇ。
つづいての立山ロープウェイでの移動は7分
支柱が1本も無いのは
やはり景観保護のためだそうで
視界広々!「動く展望台」とか。
ところで足元が気になるんよ
なんでこんなブロック置いてあんねんて。
……と話してたら
強風でゴンドラが揺れないためのおもりですって!
朝はあんなに穏やかだったのに…と思いながら「大観峰」到着。
雲が低いなぁ…^^;
このあとも標高上がっていくけど
晴れてくれない?お願いします!!
立山ロープウェイについての案内板がありました。
速度:時速18km(最高速度27km)
運行距離:1710m 大観峰ー黒部平
定員:81名
標高差:488m 大観峰駅は2316m全国2位の高所にあります。
ちなみに1位は駒ヶ岳ロープウェイ
走行方式:4線交走式
「大観峰」からは立山トンネルが
立山の主峰・雄山(3003m)の下を貫いていて
日本で唯一となったトロリーバスで上ること10分。
アルペンルートでの最高地点となる「室堂平」は標高2450m
気温は4℃!!!防寒対策してきてよかった!
そしてここが!
アルペンで最も景色が優れているという室堂⁉
白いんですけど…
せっかくなので
室堂ターミナルから伸びる散策路を
ひと通り歩いてみることに。
山岳観光ルートとして世界的に知られる立山は
古来より神が宿る山と仰がれてきたところでした。
詳細は省きますが
701年に佐伯有頼(さえきありより)が鷹狩りで立山に入り
阿弥陀如来と出会ったとされるのが室堂にある「玉殿の岩屋」で
以降、阿弥陀如来の導きにより
立山は修験道の信仰の場となりました。
明治時代の神仏分離を迎えるまで大いに栄えたようで
そういった信仰の形跡をたどるのも立山ならではとか。
立山に湧く名水「玉殿の湧水」↓
ターミナルのすぐ近くにありました^^
なんだか御利益ありそうですね^^
室堂平のマップを見る…↓
なんも見えん…
信仰の場のひとつ、地獄に見立てた「地獄谷」は
火山活動が活発なため立ち入り禁止↓
アルペンルートでは
国の天然記念物に指定される動物や野鳥が生息しているようすや
下界では見られない貴重な高山植物が見られ
6月から8月の花の頃は散策の楽しみとなります。
池が見えてきたよ?
みくりが池もまた信仰の場のひとつですが
背後の立山と紅葉が水面に映るところで
室堂一の素敵な名所らしい。
どこらへんが?^^;
紅葉じゃなく初夏のほうが良かったかな?
火口湖がいくつか…↓
こちらは「みどりが池」
江戸時代から残る山小屋は重要文化財↓
山小屋が地名になっているのですね。
「玉殿の岩屋」の案内板があるけど…
この足場といい、遠そうなのでやめておきます^^;
もっと素晴らしいところかと思ってたけど
期待が大きすぎたかな^^;
去り際に下界が見えました!!
平野がひろがってて
こちらとの地形のギャップがすごい!
ターミナルに戻って「旧社殿展示室」↓
立山開いた人↓
なになに?
加賀藩が造営した雄山神社本社ですって。
くやしいから綺麗なポスターを撮ってやりました↓
以上、寒くて白い室堂でした^^;
次は高原バスで降りていきます。
車窓からの風景↓
街が見えるよ^^
進行方向右側の座席のかたなら
後半で「称名の滝」が遠くに見えます↓
知ってか知らずか旅慣れた方々が右側を陣取っていました。さすが!
50分後…
「美女平駅」到着。めっちゃ晴れてる、ちくしょう!
佐伯有頼のいいなずけが祈りをささげたという美女杉↑
室堂の標高が2450m
美女平は977m
気温は13℃になっていました。
ここからはアルペン最後の乗り物ケーブルカーで終点の「立山駅」へ。
きたよっ^^
珍しい荷台付きのケーブルカーは
黒部ダム建設用の資材を運んでいたらしく
ルート開通の際は
高原バスを荷台に乗せて美女平へ運んだとか。
中間で対向します^^
アルペンルート通り抜けでの歩数は11580歩でした^^
コロナ禍で人が少ないのが好機と
念願のアルペンルートにお出かけしたのですが
お天気次第でしょうか
綺麗に紅葉するような木もないし。赤が少ない
乗り物はたて続けに珍しいものばかりで楽しめました^^