ほぼ旅かなり旅ぜんぶ旅手帳

気になることだけを気にしてたところまで取り上げました

社殿は中心を外してあります?国宝【石清水八幡宮】へ【ケーブルカー】を利用してみました

京都府八幡やわた

標高143mの男山おとこやまにご鎮座する

「石清水いわしみず八幡宮」。

  

平安時代初めの859年

豊前の国(大分県)宇佐八幡宮から

勧請されたのが起源で

創建以来

京の都の裏鬼門(西南)を守護する神であり

伊勢の神宮に次ぎ国家第二の宗廟として

代々皇室から厚く崇敬されてきたところ。

 

ご祭神である武運の神・八幡神は

源氏の氏神でもあり

源義家が元服し八幡太郎義家と

名乗るようになったのもここからで

源氏をはじめ全国の武士から信仰を集め

八幡宮は

全国およそ44000社に分社されています。

 

厄除け開運の御神徳も名高く

国家鎮護はもとより事業の繁栄や必勝祈願

交通安全や病気平癒など

参拝者は絶えません。

 

創建時は神仏習合で「護国寺」と称し

山内には多くの堂宇が建てられていたものの

明治の廃仏毀釈で仏式は排除されました。

 

一帯は

史跡であり社殿は国宝となっています。

 

さて

石清水八幡宮こと「やわたのはちまんさま」へは

3通りの登り方があり

1つは

京阪線・石清水八幡宮駅から徒歩2分ほどの

ケーブル八幡宮口駅から山上まで登る方法。

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もう1つは

表参道や裏参道から徒歩で登る方法。

 

吉田兼好の「徒然草」で

仁和寺の僧が

男山麓の「高良神社」を八幡宮と誤り

山上へ登る人たちを憐れんだという話があるほどに

険しい参道で知られています。

 

最後の1つは乗用車で登る方法。

男山にある第一~第三駐車場はすべて無料です。

 

今回は

ケーブルに乗りたい!でも参道も歩いてみたい!

という欲望を叶えるため

上りはケーブル、下りは石段という作戦で攻めました笑

 

片道5分 300円

毎正時から15分おきの発着です。

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一番下の座席に進行方向の後ろ向きに着席。

 

下りの電車とのスライドも…気付くの遅かった^^;

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階段状の座席もケーブル電車ならではです。

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眺望は期待外れな感ですが とにかく楽&早い♪

 

山上駅は社殿の後ろ側にあたり

表参道までは野鳥が生息する森林を抜けていきます。

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森林を抜けると第三駐車場が見えます。


乗用車の場合は

山上までの道は対向が難しい箇所があるものの

第二駐車場までは分かりやすいでしょう。


しかし第三駐車場の入口は

まさか?と思うかもしれません。

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↑ここへ車を乗り入れてよいのか

おそらく初めて来た人は躊躇するのでは?

(交互通行になっています)

 

また第三駐車場の隣には

「エジソン記念碑」があります。

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↓ふむふむ。

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表参道を歩いて登って来た場合

三ノ鳥居を最後に参道は平坦になります。

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鳥居の下にある「一ツ石」↓

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「勝負石」とか「お百度石」とも呼ばれ

かつては馳せ馬や競い馬のスタート地点であったところ。

 

お寺の頃の名残であった石灯篭を進み

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コロナ禍で柄杓の無い手水舎で清め…

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南総門をくぐります。

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さて

南総門の下に立ってみると

正面を見ているはずなのに

本殿は少し左(西)を向いているのが分かります↓

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これは

わざと中心を外して

八幡様に背を向けて帰らないようにしてあるためだそう。

 

設計ミスではないのです。

 

それから

神社でよく見る「三つ巴紋」↓ちょっと気になって調べてみたら

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「巴」とは「鞆絵」という

弓を射るときに手首に着ける皮革製の道具の形を図案化したもので

神社での三つ巴紋の元祖は

日本で一番多い神社である八幡宮からで

「右三つ巴」の神紋は他の神社にも広がっていったもよう。

 

神霊が宿る勾玉や水の流れを表し

軒瓦などに施してあるのは

魔除けや火除けの意味合いが込めてあるようです。

三つ巴をあしらった門帳の上には

皇室とのゆかりを表す菊花紋も見られます。

 

新酒も奉納されていました。

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2015平成27年に国宝の指定を受けた社殿です↓

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徳川3代・家光による造営で

全国に現存する八幡造りの本殿では最古かつ最大になります。

 

本殿中央の破風の下には

つがいの鳩が輝いています。

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よーく見ると

右の鳩は口を開けていて

つがいで阿吽となっているのですね。

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鳩ははちまんさまの使いとされます。

 

ご祭神は

中央に

応神天皇(誉田別命ほんだわけのみこと

西に

神功皇后(息長帯比賣命おきながたらしひめのみこと

東に

比咩大神(多紀理比賣命たぎりひめのみこと

     市寸島姫命いちきしまひめのみこと

     多岐津毘賣命たぎつひめのみこと

総称して「八幡大神様」となります。

 

はやくコロナが収まるようにというのはもちろん

1年前にも参拝をしていて

無事に過ごせていることに感謝して

ここで授与していただいた御守りを納めに来たのでした。

 

社殿の中へは特別な時しか入れませんが

去年機会があり

通常非公開の信長が寄進したという黄金の雨樋や

廻廊の細やかな彫刻など拝見出来ました。

 

本殿の西から外を時計回りに歩いてみました。

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校倉ってここにもあるんですね^^

江戸中期からのものだそう。

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ずらり。

 

さらに東へ歩くと

本殿の石垣が変形しているのが分かります↓

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「鬼門封じ」のため

本来なら直角の部分を

斜めに切り取ってあるそう。

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牛の角を持ち寅の毛皮をまとった鬼が来ると言われる

丑寅(東北)の方角にあたります。

 

「角(つの)を取って鬼を封じる」という

”かど”を”つの”とも読ませる鬼門除けの1つで

京都御所の塀などにも見られるものです。

 

帰路は裏参道から降りてみます。

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表参道からは行くことができない

気になる場所がありまして…

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てくてく

 

あ、これね。

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「石清水社」

冬に凍らず夏に枯れない霊水「石清水」が湧き出る

神社の名の由来となった場所なのです。

 

階段を上がったところの「石清水井」↓

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「コロナで柄杓を撤去…」云々書いてあります。

現在も岩間から清水が湧き出ているそうですが

ちょっと分からなかったなー?どこの岩間?

 

さらに階段を下りていくと…

松花堂昭乗しょうかどうしょうじょうの隠居所「泉坊跡」に出ます。

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江戸時代初期

松花堂昭乗という僧が男山山内「瀧本坊」で住職を務め

引退したのち「泉坊」に「松花堂」という庵を建てました。


松花堂といえば松花堂弁当で

十字の仕切りに刺し身や煮物、焼き物などが

蓋のある箱に詰められているお弁当でお馴染みですが

昭乗が発案したとも否定説もあります。おおざっぱ

 

明治まで庵などがあったようですが

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神仏分離で取り払われ

同市「松花堂庭園・美術館」へ移築されているようです。

 

ということで

ここまで来る人は

石段の枯葉の多さが物語るようにかなり少ないようで

よっぽど物好きかと思われます^^;

 

表参道との分岐点から裏参道を振り返る↓

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表参道と合流して「七曲り」と呼ばれる石段が続きます↓

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上りの人は大変そうです。

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石段を降り切って

最初の石清水八幡宮駅までは

徒歩7分 距離は550mの開きがあるので

歩くのがしんどい人は帰路もケーブルに限ります。


駅へ向かう途中には

先述の「高良神社」や

9月の石清水祭で

山上の本殿から神様が遷御される「頓宮殿」などがありますが

またの機会に。

 

でも

名物だけはしっかり買ってきました。

 

「走井餅はしりいもち」!は食べてしまったので

箱の中に入ってた「由来書」になります笑

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「鳩せんべい」は友人用に^^

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ずーっと滋賀だけの名物だと思ってました^^