松山城二の丸庭園に続いて
駐車場無料の観光スポットを書いています。
松山城の南麓
木子七郎きごしちろう建築による
「愛媛県庁本館」と「萬翠荘ばんすいそう」。
木子家は
代々宮中の修理職棟梁を勤めた家柄で
七郎自身も宮廷建築家として活躍しました。
愛媛県庁本館は
現存現役の庁舎としては
大阪、神奈川に次ぐ古さを誇り
緑のドームを乗せた塔屋と
手の込んだアーチの窓とで重圧な造り。
平常なら予約すれば無料で駐車&見学可
一部なら予約無しでも見学できたようです。
※現在は感染拡大防止のため見学中止
県庁の東にあるのが萬翠荘で
そのフランス風の洋館を見ることと
同敷地内「愛松亭あいしょうてい・漱石珈琲店」を
利用してみたく訪問しました。
かつてこの場所は
松山藩の家老屋敷があったところであり
夏目漱石が
松山中学の英語教師として赴任した明治時代は
下宿先「愛松亭」があったところ。
駐車場は無料で約20台可とありますが
ここまでの道幅は狭く歩行者からは
「え、ここ車通るの?」みたいな目線…^^;
そうしてたどり着いたお洒落な建物が
松山城の麓の緑の中に佇む邸宅という意味を持つ
萬よろず翠みどり荘やかた、萬翠荘。
屋根の鱗瓦は
薄く切り出すことができる天然のスレート(粘板岩)。
緑青になった銅板が頂部に張られ
アクセントになっています。
県最古の鉄筋コンクリート造で
地下1階、地上3階建て
公開は1,2階のみ。
西洋建築の多くは左右対称ですが
萬翠荘は左右非対称。
日本人のアンバランスの美意識が織り込まれ
結果として
西洋人も賛美する西洋建築となりました。
1922大正11年
旧松山藩主の子孫・久松定謨さだこと伯爵の
別邸として建てられたもので
フランス生活が長かった伯爵の好みの
純フランス様式とのこと。
皇族方も来県の際には必ず立ち寄られ
各界名士たちの集う当時最高の社交場でした。
戦禍を免れ
当時のままの姿を残す貴重な建物として
2011平成23年には
国の重要文化財の指定を受けています。
玄関から左が受付、300円なり。
正面のステンドグラスが印象的^^
なんだか神々しいとさえ思えてきます。
階段に引き寄せられるように
2階に上がってました。
階段踊り場から振り返る。
細部にまで気を配った意匠で
期待が膨らみますね。
北側は資料展示に使われていて
森の中の洋館といった写真や
模型など。
南向きは4つ部屋があり
西側の部屋は
清潔感漂う青と白のダイニング。
後の昭和天皇が宿泊された際
こちらで朝食を召し上がったとのことで
目線を合わせるべく腰掛けてみる^^
各部屋にある暖炉も凝ってます。
ガスストーブとかマントルピースと呼ぶのか。
暖炉とドア枠のデザインがペアなのも
オリジナルへのこだわりが感じられ。
漆喰のレリーフも細やか。
バルコニーの子柱に使われる石材も
気品あふれてます。
階段部分は超好み^^
1階は広間が南北に2室あり
こちらは北側で
茶色が基調となるシックな感じの大広間。
シャンデリアは水晶ですって!
そのつもりで見ると
きらめきが違うような…?単純^^;
地下から出来立ての料理を運んで
晩餐を開いていたそう。
萬翠荘はレストランとして
使われた時代もあったようです。
南に面したゲストルームの
各扉の上には八木彩霞やぎさいかによる絵画↑
その人はなんと!
森永ミルクキャラメルの
パッケージを描いた人でした。
すごいところに繋がってて驚き^^
伝統あるパッケージだったんですね。
玄関の2本の柱も
格式の高さを強調してます。
岡山産の万成石まんなりいし
これだけの大きさのものは貴重でしょう。
人力車も似合ってて…ここは大正時代かな^^
雨が小降りになったので
お隣の愛松亭へ移動します。